双極子モーメント(dipole moment)

共有結合している2原子間で、それぞれの原子の電気陰性度(電子を引きつける強さを示す尺度)に差があり、電子の分布に偏りがある場合を考える。
その場合、正の電荷分布の重心と負の電荷分布の重心はずれており、そのずれの距離に電荷の大きさを掛けたものを双極子モーメントという。
双極子モーメントをもつ分子を極性分子と呼ぶ。
同種類の2原子分子では共有電子の電荷分布に偏りは出ないので、双極子モーメントは発生せず無極性分子になる。
例えば、水分子は双極子モーメントをもつ極性分子で、3種類の振動運動をして、それぞれに固有の振動波数(赤外線)を吸収・放射する。