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ダルシーの式(Darcy's law)
フランスの水道技師Darcy(ダルシー)が、砂過の実験から明らかにした地下水流動に関する法則である。飽和した多孔質媒体中の地下水の流量、速度は2点間の水位差に比例し、2点間の距離に反比例することを表した運動方程式で次式により表される。
v=ki
または、
q=kiA
ここに、k:透水係数と呼ばれる比例定数、i:動水勾配(hydraulic gradient:2点間の水位差Δh を2点間の距離Lで割った値 i =Δh /L)、q:単位時間当たりの浸透流量、v:見掛けの流速、A:浸透断面積。 地下水の流れは、一般的には流速が遅く層流状態にあるが、流速が速くなり、ある限界を超えると乱流(turbulent flow)状態となる。乱流状態になるとダルシーの法則は適用できない。土中の水の流れにおいては、レイノルズ数が1〜10以上になると層流から乱流への遷移領域になるといわれている。逆にレイノルズ数が10−6〜10−5より小さいときには、高粘性流体としての挙動を示すためダルシーの法則が適用できない。透水性の小さい粘性土においては、動水勾配が一定値以上にならないと浸透流が生じないことが知られており、その最小の動水勾配を始動動水勾配(threshold hydraulic gradient)と呼ぶ。 |
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