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帯水層(aquifer)
地下水によって飽和されている透水性の良好な地盤を帯水層と呼ぶ。未固結の砂層、礫層が代表的であるが、透水性を有する堆積岩や風化あるいは多数の亀裂を有する岩盤等も帯水層となり得る。帯水層の状態は、主に被圧帯水層(confined aquifer)、不圧帯水層(unconfined aquifer)、そして漏水性帯水層(leaky aquifer)の3種類に分類される。 被圧帯水層は不透水層(aquiclude, impermeable layer)によって上下部分を挟まれた状態で存在し、帯水層中に地下水面は存在しない。被圧帯水層に存在する被圧地下水(confined groundwater)は、通常、大気圧より高い圧力を有し、被圧帯水層に設置された井戸の水位は被圧帯水層の上面より上部に位置し、ときには地表面より上部になる(自噴する)こともある。 不圧帯水層は下部が不透水層で、最も上部には大気圧状態にある地下水面をもつ。不圧帯水層の厚さは地下水面の変動によって変化する。不圧帯水層中に存在する不圧地下水(unconfined groundwater)は、地下の浅層部に形成されることが多いため、浅層地下水と呼ばれることもある。 漏水性帯水層はその上下境界または一方の境界が難透水層(aquitard)である被圧帯水層である。地下水は難透水層を通して上部層あるいは下部層に移動することができる。完全な不透水層の存在は考え難いため、ほとんどの被圧帯水層は程度の差はあるが漏水性帯水層である。 沖積地盤においては、透水層と難透水層が互層になって複数の帯水層からなる多層帯水層(multi-layered aquifer)が形成されることが多い。 |
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