風化(weathering)

岩石が地表あるいは地表にごく近い100 m程度の深さまでの常温常圧の下で、分解(相変化)され、安定な物質組成に変化することであり、その過程を風化作用(weathering)ともいう。機械的に細片化する物理的風化(機械的風化(mechanical weathering))と変質して粘土などを生成する化学的風化とがある。物理的風化は温度変化による岩石・鉱物膨張の差異、水の凍結膨張によって起こる。化学的風化は岩石が水との溶解・酸化・加水反応で分解し、溶脱成分と残留物とに分かれる。固結岩石は、風化によって分解して、最終的には土壌になる。大気にさらされて土壌や岩石が破壊・分解するにつれて、色・組織・組成・硬さ・形が変化するので、これらを指標に風化度(degree of weathering)もしくは風化指数(weathering index)を定義することができる。分解し変質した物質で、元の場所に位置し、ほとんど移動せず、運搬されていないものを、風化残積土(residual soil)という。節理の発達した岩石は大気の酸素の浸透や地表水の循環を容易に生じ、深層風化を生じる。深層風化の中には、より深部からの高温水(熱水ともいう)や温泉などによる変質も含まれている場合がある。風化の過程で、白色のカオリナイトに変化したものは、陶土(china clay, porcelain-clay)として陶磁器の原料として用いられており、多くの土木工業製品にも利用されている。